こんにちは!
昨日は朝から、京都の北部・綾部市にある「社会福祉法人綾部福祉会 あやべ作業所」さんに見学に行ってきました。
あやべ作業所では、地元の製糸会社が始めた醤油づくり事業を引き継いで、作業所の仕事として醤油づくりを行っています。
【綾部市・お醤油づくりの歴史】
綾部では昔から製糸業が盛んでした。昭和3年、ある製糸会社の工員さんが、普段の食事用にと作り始めたことがきっかけで、綾部の醤油づくりが始まりました。
自分たちのために、自然発生的に生み出された醤油の特徴は、普段づかいに優れていること、何よりも美味しいこと、このお醤油は町の人々にための美味しいお醤油として大いに成長していきました。
しかし、戦後に配給統制が撤廃され、大手メーカーが台頭してきたことでお醤油づくりは衰退。有志が集って京都醤油株式会社を設立したり、京都府下のお醤油を一括して絞るシステムを京丹波町に設立するなどして、窮地を乗り越えてきました。平成23年に閉鎖になるまで今日のお醤油づくりを支えてきました。
あやべ作業所は、その流れで平成12年より醤油づくり事業を引き継いでいます。
【あやべ作業所・醤油づくり見学】
あやべ作業所では、醤油以外にもクッキーなどの製菓、リサイクル、フェルトづくりなどの仕事を行っています。
その中で、醤油チームで働いているのは3名の障害のある仲間たちです。
今日は、完成した醤油をボトルに詰める作業を見学させてもらいました。
ボトルに醤油を注ぐ、アルコール消毒、蓋をしめる、水でボトルを洗う、ラベルをのりで貼る、カゴに入れる。仲間と職員さんとの流れるような連携プレーがすごくて驚きました!
職員さんが「じゃあ一升瓶6本作ろか」「次は500ボトル5本作ろか」と声をかけると、必要な道具を自分たちでササ〜っと用意して、自分の仕事を着々とこなしていきます。
お互い声をかけ合ったりはしませんが、相手の動きをよく見て、自分の仕事に責任を持って作業されているのが伝わってきます。
職員さんにお話を伺うと、「ここで仕事をしている仲間は、話すことは苦手なのでお互い声をかけたりは出来ませんが、長年醤油づくりの仕事に携わっていて、この仕事に誇りを持っています。まさに職人という感じ!」とのこと。
醤油づくりで使っている道具は、地元の醤油会社で使っていたものを譲り受けて、ずっと使ってるそうです。
上の写真は、一升瓶の蓋をしめる道具です。飾りで置いているのかと思っていたら、現役で使用していると聞いてびっくり!!
あやべ作業所でつくられた醤油は、地元の学校給食や老人ホームで使われています。その他道の駅、特産館などでも販売されています。
【作業所で大事にしていること】
作業所では、生活を支える、働く仲間をつくる、仕事に責任を持つ、その人がいないと困るという役割や、必要とされている居場所をつくることを、大事にしているそうです。
障害があることで、何かをやってもらう立場になることが多く、「あなたのせいで〇〇できない」と言われてきた人が多い。作業所では、「あなたがいないと仕事が進まないからよろしくね!」と頼られる、必要とされていると実感できる場所にしようと、制度がない時代から地元の人たちでつくりあげられてきました。
2006年に障害者自立支援法が出来て、それまで通っていた共同作業所がなくなってしまう危機に直面しました。その際に障害のある仲間たちに、「作業所のことをどう思っているか?なぜ働くのか?」について、アンケートを書いてもらいました。
そのアンケートに書かれていたのは、下記のような内容でした。
「マクドに行きたいから自分のお金が必要」
「月に一回はカラオケに行きたいから」
「学校を卒業して大人になったから働く」
「企業に勤めていたが、病気や障害のせいでクビにならないか、びくびくしながら働いていた。ここでは安心して働けている」
「工場でミスをして怒られ得意先に謝罪に行った。親と泣きながら製品の修正をやったことがある。作業所ではそんなことはなく安心できる居場所ができた」
これを読んだ職員さんたちは、「仲間たちは自分の働く理由をしっかり持っている。これが作業所が必要とされている理由だから今後もブレずにやっていこう」と決意されました。
帰りは綾部駅近くにある、綾部福祉会の「サクラティエ」でランチをいただきました!
バームクーヘンなどの美味しそうなお菓子も厨房で作られていて、店内は子供が広々くつろげる絵本カフェになっています。
ごろねでも今後、あやべ作業所さんで作られた醤油やポン酢、醤油ラスクを仕入れて販売する予定です。
今しばらくお待ちください!お楽しみに〜!
雑貨屋 ごろね
障害のある人が働く作業所で作った雑貨とコーヒーの販売 京都・東山 三善(みつよし)路地 2020年7月23日にオープンしました。
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