ごろねスタッフの雑記帳・ひなたぼっこ【第11回 未来はひらかれたか?】

ごろね通信で連載している『ごろねスタッフの雑記帳・ひなたぼっこ』の第11回目です。


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第11回 未来はひらかれたか? 

 私が作業所に勤めることが決まった時、大学で福祉を専攻していなかったので、勤める前に勉強しないとと思い、三条京阪のブックオフへ。
そこで手に取ったのが、青木嗣夫『未来をひらく教 育と福祉 地域に発達保障のネットワークを築く』文理閣、1997年。
障害児が「就学猶予、免除」 という名で教育の対象とされなかった時代に、京都府北部の与謝・丹後地域で与謝の海養護学 校(1969年開設)づくりにとりくんできた著者たちの実践が語られています。
この学校づくりから作業所づくりへと障害児者の教育や生活を保障する地域を築いてきた実践は目からウロコでした。
この場では字数上、詳しく紹介できませんが、好きな一節だけ引用します。

「学校は単に何億円かのお金でつくられた箱としての建物を意味するわけではない。学校 がその地域なり、あるいは京都全体なり、全国なりにどういうふうな役割を果たすかとい
 うことを考えていかなければならないし、そのような学校づくりが必要だと考えてきまし た。だから、学校を教育を守る砦とする、というように自らで位置づけました」(P.51)

 与謝の海養護学校が開設してから半世紀が経つ現在でも、重度の知的・行動障害の働き暮ら す場、高齢期を迎えた障害者や家族、医療的ケアの問題など、障害児者をとりまく生活問題は山 積しています。
今ある施設もこれからできる施設も、どの地域でも障害児者の生活と権利を守る 「砦」としての役割を担っています。
障害者施設の職員として一つひとつの問題解決に向けて役 割を果たしたいと思います。

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