ごろねスタッフの雑記帳・ひなたぼっこ【第9回 誇りのある人生】

ごろね通信で連載している『ごろねスタッフの雑記帳・ひなたぼっこ』の第9回目です。

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第9回 誇りのある人生 

作業所の陶芸班で最年長のTさん(70代、知的障害)は、長年植木鉢を作り続けていました。
土 をこねて、土台、側面、と慣れた手つきで植木鉢を作っていきます。
途中で話しかけると「仕事中ですので」と怒られてしまうほど、熱心にとりくんでいます。
ただ、できあがった植木鉢のなかには、水が漏れたり、割れてしまったりと、製品にできないものもあります。
集中してとりくんでいるものの、細かい点にまで目が行き届かないようです。
でも、職員はTさんに「ここを修正して、もっとていねいに」とは言いません。
それはTさんにとってなにが本当に大切なのか、を実践(支援)の視点として重視しているからです。 
「私の仕事は植木鉢を作ること」と語るTさんの姿には、長年積み重ねてきた「これが私の仕事」 という誇りを感じます。
植木鉢作りそのものが、Tさんにとっての生きがいになっています。
製品としての出来不出来よりも、その誇りのある人生を大切にしたいと思うのです。

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