ごろね通信で連載している『ごろねスタッフの雑記帳・ひなたぼっこ』の第7回目です。
---------------------------------
第7回 散歩
私の勤める施設では、散歩の活動があります。
昔、下請け作業をしていた頃、一日通して、作業することがむずかしい人がいました。そこで、午前に作業をして、午後は散歩や音楽など気持ちを発散できる活動にとりくみました。
散歩はただ歩くだけでなく、四季を感じることや、みんなのペースに合わせて仲間を意識することなどを大切にしています。
どんどん一人で歩いて行ってしまうAさん(重度の知的障害)は、人を待つことが苦手で、少し待つだけで怒っていました。
自分は歩きたいのに、なぜ止められるのか、どれだけ待てばいいのかわからなかったのだろうと思います。
それでも、何度も散歩に行くうちに、後ろの人が追いついてくればまた歩けることがわかってきたのか、後ろを振り返るようになりました。
また、少し立ち止まって風を感じたりすることの心地よさがあったのかもしれませんが、待つ間に怒ることはなくなり、気持ちよさそうな笑顔を見せてくれることもありました。
歩き終わってからお茶を飲み干すAさんの姿は満足そうでした。
雑貨屋 ごろね
障害のある人が働く作業所で作った雑貨とコーヒーの販売 京都・東山 三善(みつよし)路地 2020年7月23日にオープンしました。
0コメント