第5回 社会とつながり、実感する
作業所の仕事の一つに箱折りがあります。
私の勤める法人でも京都のお土産屋さんの箱を請 け負って折っています。
この箱折り作業、なかなかに大変です。
シワができては使えないので、て いねいにしなければなりませんが、納期までに数をこなさないといけないので、迅速さも求められ ます。
Aさん(知的障害)は以前「人にちょっかいを出す、作業に集中できない」など、作業所での生活 で注意を受けることが多くありました。
それまでの作業が本人にとって手応えを感じにくく、気持ち が乗らなかったこともあったのだろうと思います。
そんなAさんが箱折り作業にうつり、注意をされ ながらもがんばってとりくむ姿がありました。
本人曰く、「箱折りはしんどいけど、折った箱を届け に行くの楽しい。
給料もこれまでより高い」とのこと。
ある日、久しぶりに会ったAさんが自分の折った箱が使用されたお土産を持って、「これ、僕が 折っているやつ」と渡してくれました。
自分の仕事が、お土産という商品になり、自身の役割を実 感できたことがうれしかったのだと思います。
照れくさそうにお土産を渡してくれたその表情には 「自分がやった仕事」という誇らしさも感じました。
雑貨屋 ごろね
障害のある人が働く作業所で作った雑貨とコーヒーの販売 京都・東山 三善(みつよし)路地 2020年7月23日にオープンしました。
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